腸活ブームが続く日本では、ヨーグルトやサプリメント、発酵食品など、乳酸菌を取り入れる選択肢が年々増えています。
コンビニの棚を見れば分かるように、飲料や菓子にまで乳酸菌入りの製品が並び、もはや健康志向の定番となりました。
ところが最近の研究では、同じ乳酸菌でも生きている菌と加熱処理などで不活化された菌とでは、体への働き方がまったく違うという事実が次々と明らかになってきています。
プロバイオティクスとポストバイオティクス、それぞれの呼び方を聞いたことがある方も多いかもしれません。
今回ご紹介するのは、株式会社伊藤園、東北大学大学院農学研究科、株式会社島津製作所による共同研究の成果です。
2026年4月20日に発表されたこの研究では、生きた乳酸菌と加熱処理した乳酸菌が小腸の細胞に与える影響を、同一条件で比較するという画期的な実験が行われました。
結論から言えば、両者はまったく別の働きを見せたのです。
記事の要点
- 生きた乳酸菌は小腸の細胞の代謝を主に活性化し、エネルギー産生や脂質合成に関わる遺伝子の働きを強めた。
- 加熱処理した不活化乳酸菌は、免疫に関わる遺伝子を顕著に活性化し、炎症や防御反応に関わるシグナル経路を刺激した。
- 同じ菌種でも状態によって作用が異なるため、目的に応じて生菌と不活化菌を使い分ける新しい食品設計の道が開けた。