最新|ビタミンB3が致死性の小児遺伝病を救う可能性:マウス実験で寿命が40倍以上に延びた

最新|ビタミンB3が致死性の小児遺伝病を救う可能性:マウス実験で寿命が40倍以上に延びた

ビタミンというと、とにかく摂れば良いもの、というざっくりしたイメージを持っている方も多いでしょう。実際、ドラッグストアにはさまざまなビタミンサプリが並んでいて、根拠が曖昧なまま手軽に購入できてしまいます。

一方で、特定のビタミンが特定の病気に対して本当に劇的な効果をもたらすことがある、という事実はあまり知られないまま埋もれていることがあります。

かつて1900年代初頭、壊血病がビタミンCで、脚気がビタミンB1で治ることが発見され、複数のノーベル賞が授与されました。

しかし近年はサプリメントが簡単に手に入るようになった一方で、どの病気にどのビタミンが本当に効くのかという体系的な研究は、あまり進んでいませんでした。

そこに正面から取り組んだのが、米国グラッドストーン研究所のIsha Jain博士のチームです。

彼らは「病気から治療法を探す」のではなく、「ビタミンから治療できる病気を探す」という発想の転換で研究を進め、生後数か月で死亡するほど致死性の高い小児遺伝病に対して、ビタミンB3が治療効果をもたらす可能性を示しました。

2026年2月25日、その成果がCell00109-1)誌に掲載00109-1)されています。

記事の要点

  • グラッドストーン研究所はCRISPRスクリーニングを用いて「ビタミンB3が高用量あると生き残れる遺伝子欠損」をリストアップし、NAXD遺伝子が筆頭候補として浮上した。NAXDが欠損すると重篤な神経発達障害と早期死亡を引き起こすことが知られている。
  • NAXDをノックアウトしたマウスは生後5日前後で死亡するが、出生直後から高用量ビタミンB3を投与すると、実験終了の300日まで生存し続け症状も消失した。寿命の延長は40倍以上に相当する。
  • この研究の枠組みはビタミンB2・B3だけで数十種の遺伝病候補を特定しており、他のビタミンへの応用も期待される。ただし治療開始は出生直後が極めて重要であり、NAXDの新生児スクリーニングへの追加が急務とされている。