肝臓は、栄養素の代謝、老廃物の処理、血液中の水分バランスを支えるアルブミンの産生など、日々の体調を支える多くの働きを担っています。
肝硬変では、長期の炎症や障害によって健康な肝組織が線維化し、栄養状態の低下や血中アンモニアの上昇、肝性脳症といった問題につながることがあります。
そこで注目されている栄養素のひとつが、微量ミネラルの亜鉛です。肝硬変の患者さんでは亜鉛不足がみられやすく、肝臓での代謝やアンモニア処理との関係が検討されてきました。
2026年1月に『BMC Nutrition』で公表されたメタ解析は、亜鉛補充を用いたランダム化比較試験(RCT)7件をまとめ、肝機能や肝性脳症に関連する指標を評価しました。デンマークの健康情報サイト Healthandscience.eu も、2026年5月25日にこの研究を報じています。
記事の要点
- 肝硬変患者338人を含むRCT7件のメタ解析で、亜鉛補充群172人と対照群166人が比較され、血中アンモニア、ALT、アルブミン、認知機能に関連する検査指標などが評価されました。
- 亜鉛補充群では、血中アンモニアとALTが低下し、潜在的な肝性脳症の評価にも用いられるNCT-Aの所要時間が短縮しました。アルブミンにも統計学的な上昇がみられましたが、その差は小幅でした。
- 用量や期間による結果の違いも示され、50mg未満ではアルブミンとALT、50mg以上ではアンモニア低下が目立ちました。最適な補充量と期間を明らかにするには、さらに大規模な検証が期待されます。