最近、気分が落ち込みやすい、理由もなく不安が続くと感じる時、まず思い浮かぶのは睡眠やストレスでしょうか。
ところが近年、心の状態に静かに影響を与えている因子として、あるミネラルに注目が集まっています。それがカリウムです。
2025年に韓国と米国の合計2万人超のデータを用いた比較研究、そしてUKバイオバンクの約20万人を中央値13年追跡した前向きコホート研究が相次いで発表され、カリウム摂取と気分の安定との関連が浮かび上がってきました。
さらに2025年に公表された症例報告では、低カリウム血症の補正によりうつ症状が急速に改善した経過も記されています。
カリウムは血圧や筋肉の働きに関わるイメージが強いミネラルですが、実は神経の興奮性、ストレスホルモン、神経伝達物質の調整にも深く関わります。
今回はこのカリウムと心というテーマを、最新の知見をもとに丁寧に整理していきます。
記事の要点
- 韓国12,996名と米国9,547名を比較した2025年の研究では、カリウム摂取量が多い人ほどうつ病のリスクが低い傾向が両国で一貫して観察され、調整済みオッズ比は韓国で0.87、米国で0.76と報告されています。
- UKバイオバンクの約20万名を中央値13年追跡した前向きコホート研究でも、推奨摂取量レベルのカリウム・マグネシウム・亜鉛・銅・マンガンの確保が気分障害リスクの軽減に寄与する可能性が示されています。
- カリウムは神経細胞のカリウムチャネルや膜電位、HPA軸を介したストレス応答、セロトニンなど神経伝達物質の調整に関わり、ナトリウムとのバランス(Na/K比)も心の安定に影響すると考えられています。