血糖の管理は、薬をきちんと使っていても、思うようにいかないことがあります。とくに、糖尿病が長く続くなかで手足のしびれや痛みといった神経の症状が出てくると、日々の体調管理はいっそう気を配るものになります。
そんな状況で、栄養面から後押しできるものはないか。そう考える方は少なくないと思います。
今回取り上げるのは、微量ミネラルのセレンです。イランの研究グループが、2型糖尿病で末梢神経障害のある人を対象に、有機セレンを8週間補う試験を行い、血糖にかかわる指標がどう動いたかを報告しました。
栄養学の専門誌『European Journal of Nutrition』に2026年(65巻6号)で公開されています。
記事の要点
2型糖尿病で末梢神経障害のある50人が、有機セレン(セレン強化酵母)を1日200μg、8週間とったところ、プラセボと比べてHbA1cが約1.2%下がったと報告されています。
空腹時血糖はおよそ34mg/dL下がり、インスリン抵抗性の指標(HOMA-IR)も改善、インスリンの効きやすさを示す指標(QUICKI)も上がりました。
有害な出来事は少なく、プラセボと同程度でした。血糖にかかわる短期的な指標が、栄養からの補いで動きうることを示した報告になっています。