健康診断で「血糖値が高め」「境界型ですね」と言われると、多くの方が食事や運動を見直そうと考えます。そんなとき、選択肢のひとつとして名前が挙がるのがビタミンDです。
日光を浴びてつくられ、骨や免疫との関わりで知られるこの栄養素が、糖尿病の予防にも関わるのではないか。そう考えて、すでにサプリメントを飲んでいる方もいるかもしれません。
ところが、これまでの大規模な試験では、効いたという報告と、差が出なかったという報告が入り混じり、はっきりしない状態が続いていました。
2026年4月、この食い違いに一つの答えを示す再解析が発表されました。その理由は、ビタミンDを受け取る側、つまり私たち自身の遺伝子にありました。
記事の要点
前糖尿病の成人2,098人にビタミンD3を1日4,000 IU与えたD2d試験を、ビタミンDの受容体をつくるVDR遺伝子のApaIという型で分けて解析したところ、効く人と効かない人がはっきり分かれたと報告されています。
ApaIのAC型・CC型(全体の約7割)ではビタミンD群の糖尿病への進行リスクが19%低く、AA型(約3割)では差が見られませんでした。同じ量を飲んでも、遺伝子の型で応答が変わっていたことになります。
血中のビタミンD濃度が40 ng/mL以上に保たれた人でリスクが低い傾向も示され、著者らはApaIの型を調べることが「高用量ビタミンDで恩恵を受けやすい人」を見分ける手がかりになりうると述べています。