最新|ビタミンKが血糖値を制御する:糖代謝を左右する新たな役割とは

最新|ビタミンKが血糖値を制御する:糖代謝を左右する新たな役割とは

〜血液凝固や骨だけではない、ビタミンKの知られざる力〜

  • --

ビタミンKと聞くと、血液を固めるビタミンというイメージを持つ方が多いかもしれません。実際、ビタミンKは血液凝固因子の生成に不可欠な脂溶性ビタミンとして知られてきました。

また近年では骨の健康や血管の石灰化予防といった役割も注目されています。ところが、このビタミンKに、さらに意外な「もうひとつの顔」があることが明らかになりつつあります。

それが、血糖値の調節、つまり糖代謝への関与です。

日本では糖尿病とその予備軍を合わせると約2,000万人に上るともいわれ、血糖コントロールは国民的な課題です。

そうしたなか、納豆や緑黄色野菜など日本の食卓にもなじみの深い食品に多く含まれるビタミンKが、糖代謝にも影響を与えている可能性が出てきたのは、非常に興味深いニュースです。

このたび、ポーランドの研究チーム(Matuszewskiら)が、ビタミンKの内分泌調節因子としての役割、特に糖代謝との関係を包括的にまとめたレビュー論文を発表しました。

さらに、最新のメタ分析でも、ビタミンKの補充が糖尿病前症・2型糖尿病患者の血糖指標に良い影響を与えうることが報告されています。

今回は、これらの最新知見をもとに、ビタミンKと血糖値の意外な関係を詳しくお伝えします。

記事の要点

  • ビタミンKの摂取量や血中濃度が高い人ほど、インスリン感受性が良好で、2型糖尿病の発症リスクが低いことが観察研究で示されている。
  • ビタミンKは「オステオカルシン」という骨由来ホルモンの活性化を通じて、インスリン分泌やエネルギー代謝に影響を与えている可能性がある。
  • ビタミンK2(メナキノン-7)の補充により、HbA1cや空腹時血糖の改善が見られたという報告があるが、大規模な臨床試験による検証がまだ必要