季節の変わり目に、息が浅くなる。朝晩の気温差が大きい時期や、空気が乾いてくる頃に、胸のあたりがすっと通らない感覚を覚える方は少なくありません。ぜんそくのある人にとって、この呼吸の不安定さは毎年くり返す悩みでもあります。
その呼吸のケアに、腸が関わっているとしたらどうでしょうか。少し意外に聞こえるかもしれませんが、腸の中の細菌の状態と、肺や気道の働きがつながっているという見方は、近年の研究で少しずつ形になってきました。
腸と肺のあいだのやりとりを指して、腸-肺相関(gut–lung axis)と呼びます。2026年、免疫学の専門誌 Frontiers in Immunology に、この腸への働きかけが大人のぜんそくの呼吸機能をどう動かすかを、13件のランダム化比較試験からまとめて評価した報告が載りました。
大人のぜんそくにしぼってこの問いを調べた解析は、これが初めてになります。今回はこの報告を読み解きます。
記事の要点
プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクスをとった大人のぜんそくで、1秒量(FEV1)が有意に上がったと報告されました。
呼吸機能の伸びは、複数の菌株を含む組み合わせと、4週間の介入でとくに大きく、深刻な副作用は報告されていません。
腸内細菌を養う食物繊維と、菌そのものを届ける発酵食品が、呼吸を腸から考えるときの身近な入口になります。