食後の一杯、仕事の合間の一杯、湯呑みから立ちのぼる湯気。お茶は、日本の暮らしにいちばん近い飲み物です。あまりにも当たり前にそこにあるので、健康との関わりを意外と意識しないまま、私たちは毎日それを口にしています。
年齢を重ねると、多くの人が少しずつ筋肉の量や力の衰えを感じ始めます。ペットボトルのふたが開けにくい、階段の上りが重い。こうした変化の背景には、加齢とともに進む筋肉の減少があります。
歩く力や立ち上がる力を支える筋肉をどう保つかは、長く元気に暮らすうえで、とても大切なことです。
2026年、薬理学の専門誌 Pharmacological Research に、この筋肉とお茶の関わりを長い年月をかけて調べた研究が報告されました。
3,408人を約12年にわたって追いかけ、お茶をよく飲む人とそうでない人とで、筋肉の量や握る力にどんな違いが出るのかを見たものです。
記事の要点
3,408人を約12年追った研究で、お茶を飲む頻度が高い人ほど、手足の筋肉量や握る力が高い方向にあると報告されました。
血液中のフラバン-3-オール(お茶に多い成分)が多い人でも同じ傾向がみられ、腸内細菌や血中のタンパク質が、その関わりの一部を橋渡ししていました。
歩く速さには明確な差はみられませんでしたが、加齢とともに気になる筋肉の量と力に、毎日の一杯が関わる可能性が示されています。