私たちは今、目に見えない深刻な栄養危機の渦中にいます。ビタミンDと聞くと、単に骨を丈夫にするためのものというイメージを持たれがちですが、実際にはホルモンに近い働きを持ち、私たちの生命維持の根幹を支える極めて重要な栄養素です。このビタミンが慢性的になくなると、体は悲鳴を上げ始めます。
初期段階では、なんとなく体がだるい、やる気が出ないといった「不定愁訴」として現れることが多く、多くの人が単なる疲れや加齢のせいにして見過ごしてしまいます。しかし、不足が深刻化すると、カルシウムの吸収が滞って骨がスカスカになる骨粗鬆症を招くだけでなく、筋肉の低下によって転倒のリスクが高まります。
さらに近年の研究では、免疫力の低下による感染症リスクの増大、さらには糖尿病、高血圧、一部のがん、そして心の風邪と呼ばれるうつ病の発症にまで、ビタミンD不足が深く関与していることが明らかになってきました。