最新|慢性的な神経の痛みとミトコンドリアの深い関係:細胞のエネルギー工場を守ることが、神経痛予防の鍵

最新|慢性的な神経の痛みとミトコンドリアの深い関係:細胞のエネルギー工場を守ることが、神経痛予防の鍵

糖尿病性神経障害・抗がん剤による末梢神経障害・外傷後の慢性痛、こうした神経の痛みに悩む方は世界中に多く存在します。治療を受けても痛みが取れない、あるいは原因となる病気がコントロールされているにもかかわらず痛みが続くというケースも少なくありません。

科学者たちはその謎を長年追い続けてきましたが、近年、重要なピースが見つかりました。それが「ミトコンドリア」の損傷です。ミトコンドリアとは細胞のエネルギーを産生する構造体で、神経細胞にとって特に不可欠な存在です。

学術誌「Nature」に掲載された最新研究は、損傷したミトコンドリアが神経を慢性的な過活動状態に押し込み、痛みを持続させることを示しました。

さらに、健康なミトコンドリアを損傷した神経に移植することで、最大48時間の痛みの軽減が得られた症例もあります。

今回は、慢性神経痛とミトコンドリアの関係、そして日常生活でできるミトコンドリアケアについて詳しく解説します。

記事の要点

  • 損傷したミトコンドリアはエネルギー産生が低下し有害な副産物を増やすため、神経細胞が過活動状態になり慢性痛が引き起こされます。これが、血糖値が改善されても、抗がん剤治療が終わっても痛みが続く理由のひとつです。
  • グリア細胞は健康なミトコンドリアを近くの神経細胞に受け渡す「ミトコンドリア移送」という修復システムを持っていますが、糖尿病・抗がん剤・慢性ストレスなどによってこのシステムが損なわれると神経痛が悪化します。
  • 血糖値の安定・質の高い睡眠・適度な運動・サウナや日光浴などの回復ツールという4つのアプローチが、ミトコンドリアの健康を守り、慢性神経痛の予防・改善に役立つことが示されています。