骨粗しょう症は、骨の密度と強度が低下して骨折しやすくなる疾患で、高齢者、特に閉経後の女性に多く見られます。
日本でも推計1000万人以上が骨粗しょう症を抱えており、骨折をきっかけに寝たきりや要介護状態になるリスクも高く、深刻な社会問題となっています。
骨の健康のためにはカルシウムやビタミンDが重要なことはよく知られていますが、近年ではビタミンK2もその維持に深く関わることがわかってきました。
日本でもチーズの消費量は増加傾向にありますが、チーズが骨の健康に直接どのような影響を与えるかについては、まだ広く知られていません。
発酵チーズ、特にノルウェーのヤールスバーグチーズには、ビタミンK2の中でも特殊な形態であるMK-9(4H)が豊富に含まれており、骨代謝を促す複数の成分を含んでいます。
2025年、ノルウェーのスキェッテン医療センターを中心とした研究チームがBMJ Nutrition, Prevention & Healthに発表した研究では、閉経後女性と55歳以上の男性を対象に、ヤールスバーグチーズの毎日の摂取が骨代謝マーカーやビタミンK状態にどう影響するかを12週間にわたって検証しました。
その結果、チーズの摂取が骨を壊す活動を抑制し、骨の同化作用(骨を作る方向への働き)を促す可能性が示されました。
論文タイトル
Daily cheese intake positively affects serum osteocalcin levels, vitamin K status and bone turnover markers in elderly men and women
記事の要点
- ヤールスバーグチーズの毎日の摂取により、閉経後女性と高齢男性の両方で骨吸収マーカーが有意に低下し、骨の同化作用(骨形成が骨吸収を上回る状態)が示唆された。
- 閉経後女性の最適な1日摂取量は47g(約3枚)、55歳以上男性では67g(約4枚)と推定された。
- ビタミンK2を豊富に含むヤールスバーグチーズに特有の成分(MK-9(4H)やDHNA産生菌)が、破骨細胞の活動を抑制するメカニズムに関与している可能性が示された。