腸の調子を整えると、頭の働きや眠りまで変わってくる。少し前なら少し大げさに聞こえたかもしれないこの話が、ここ数年でずいぶん身近になってきました。
腸脳相関、プレバイオティクス、短鎖脂肪酸といった言葉が一般紙でも目にする時代になり、研究の方も着実に積み上がってきています。
今回ご紹介するのは、京都府立医科大学と太陽化学が共同で行い、栄養学の国際誌『Nutrients』2024年号に掲載された一本のランダム化比較試験です。
60歳以上の健康な方々59名に、グアー豆由来の水溶性食物繊維「部分加水分解グアーガム(PHGG)」を1日5グラム、12週間摂ってもらった結果、視覚的な記憶や睡眠の質に変化が見られたと報告されています。
海外メディアでも取り上げられ、改めて腸からのアプローチが注目を集めるきっかけとなりました。
記事の要点
- 部分加水分解グアーガムを1日5g・12週間摂取することで、高齢者の視覚記憶スコアと睡眠の質に改善傾向が示されました。
- メカニズムとして、腸内細菌による短鎖脂肪酸(酪酸など)の産生、腸関門の強化、迷走神経や神経伝達物質を介した脳への影響が考えられています。
- PHGGは粘度が低く、味やにおいもほとんどないため、飲み物やヨーグルト、汁物に混ぜて続けやすいことが、日常使いの食物繊維として評価されているポイントです。