最新|メラトニンとミトコンドリア:眠りのホルモンと老化のつながり

最新|メラトニンとミトコンドリア:眠りのホルモンと老化のつながり

メラトニンと聞くと、多くの方が眠くなるホルモン、時差ぼけのときに使うサプリメントを思い浮かべるのではないでしょうか。夜になると自然に分泌が増え、体を休息のモードへ切り替える。その役割は広く知られています。

ところが近年、メラトニンを睡眠というひとつの窓からだけでなく、もっと広い視野で捉え直す研究が増えています。とりわけ注目されているのが、細胞の中でエネルギーを作りだす小器官ミトコンドリアとの関係です。

2026年には、メラトニンとミトコンドリアの結びつきを老化という観点から整理したレビュー論文も発表され、海外の健康情報サイトでも取り上げられました。

眠るためのホルモンが、なぜエネルギーづくりや老化と関わるのか。今回は、メラトニンとミトコンドリア、そして体内時計をめぐる最新の議論を、わかってきたことと、まだわからないことを分けながら見ていきます。

◼️記事の要点

  • 2026年などの機序レビューでは、メラトニンが体内時計のシグナルであると同時に、ミトコンドリア内のredox(酸化還元)バランスや活性酸素(ROS)の処理、ATP産生と関わる可能性が整理されています。

  • 加齢や夜勤、アルツハイマー病とメラトニンの関連を示すヒト研究はありますが、健康な人がサプリメントを飲んで老化や認知症を防げるという証拠は、まだ確立していません。

  • メラトニンを支える自然な入口は、サプリメントの量を増やすことよりも、朝の光、夜の暗さ、規則的な睡眠、運動で体内時計を整えることにあります。