梅雨の季節になると、空はどんよりと曇り、気分もどこか晴れないまま一日が過ぎていく。朝の目覚めがすっきりしない、何をするにも気が重い、そんな日が続くと、気分の問題や、その日の気の持ちようとして片づけてしまいがちです。
けれど、気分の浮き沈みには、毎日の食事から摂っている栄養が、思いのほか深く関わっていることが、近年の研究で少しずつ明らかになってきました。
2026年に発表された米国の研究では、5つの微量栄養素に注目し、血液中の濃度や食事からの摂取量が十分な人ほど、抑うつ症状が少ない傾向にあると報告されています。
対象となったのは、米国の大規模な国民健康調査から抽出された3,654人の成人。一人ひとりの食事内容や血液の状態と、心の調子との関係を、大きな集団のデータから丁寧に見直した研究です。
取り上げられた5つは、どれも特別な成分ではなく、日々の食卓に登場する身近な食材から摂れるものばかりでした。
今回は、その5つの栄養素が何で、脳の中でどのような働きをしているのか、そして日々の食事からどう取り入れていけるのかを、研究の内容に沿って見ていきます。
記事の要点
- 米国の大規模な健康調査(NHANES)のデータをもとに、5つの微量栄養素と抑うつ症状の関連を調べた2026年の研究から、栄養と心の状態のつながりを見ていきます。
- ビタミンD、鉄、セレン、銅、ビタミンB6という5つの成分が、脳の中で気分の調節とどのように関わると考えられているのかを整理します。
- 血液検査の値と食事からの摂取量という2つの見方の違いに触れながら、これらの栄養素を日々の食事でどう補っていくかを考えます。