薬では達成できない肝臓の改善を運動が実現する
脂肪肝と聞いても、自分には関係ないと思う方は多いかもしれません。しかし、世界の成人の3人に1人が何らかの程度の脂肪肝を抱えていると推定されています。
日本でも健康診断で「脂肪肝の傾向があります」と指摘される方は年々増えており、飽食の時代における国民病のひとつといっても過言ではありません。
厄介なのは、肝臓は初期段階ではほとんど自覚症状を出さないことです。気づいたときには何年も脂肪が蓄積していたというケースが珍しくありません。
現在の医療では、経過観察が中心で、悪化してから薬物治療に入るという流れが一般的です。
しかし、2025年にBMC Gastroenterology誌に発表された大規模メタ分析は、運動という身近な方法が脂肪肝に対して薬では達成できないほどの多面的な改善をもたらすことを明確に示しました。
記事の要点
- 23件の研究、1,012人のデータを統合したメタ分析で、運動が肝臓の酵素値、コレステロール、中性脂肪、インスリン抵抗性、空腹時血糖を有意に改善することが確認された。
- 有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが最も効果的で、週3回、8~12週間の継続で統計的に有意な改善が得られた。
- 米国のNHANESデータに基づく別の研究でも、食事が完璧でなくても運動だけで脂肪肝のリスクが低下することが示された。