要旨
微量ミネラルであるホウ素は、代謝において多様で極めて重要な役割を果たしており、植物・動物・人間の健康に必要不可欠です。
最近の研究では、ホウ素は地球上の生命の進化にも関与している可能性が示唆されています。
本論文では、ホウ素が重要な微量ミネラルであることを裏付ける理由を次のように示しています。
- 骨の成長と維持に必須であること
- 傷の治癒を大幅に促進すること
- エストロゲン、テストステロン、ビタミンDの利用を体内で良好にすること
- マグネシウムの吸収を高めること
- 高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)や腫瘍壊死因子(TNF-α)などの炎症性マーカーを低下させること
- スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといった抗酸化酵素のレベルを高めること
- 農薬による酸化ストレスや重金属毒性から体を守ること
- 高齢者の脳の電気活動、認知機能、短期記憶を改善すること
- S-アデノシルメチオニン(SAM-e)やニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)など、重要な生体分子の生成と働きに影響を与えること
- 前立腺がん、子宮頸がん、肺がん、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫など、いくつかのがんに対して予防および治療効果があること
- 従来の抗がん剤による副作用を軽減する可能性があること
ただし、これまでの多数の研究では、ホウ素の有益な効果は1日3 mg未満の摂取量では確認されていません。
現在、ホウ素に関しては推定平均必要量(EAR)や食事摂取基準(DRI)は設定されておらず、唯一設定されているのは、18歳以上の成人に対する耐容上限摂取量(UL)が1日20 mgということだけです。
これまでにホウ素の有害性を示した研究はなく、多くの研究がホウ素の健康への利益を報告していることから、果物や野菜の摂取が少ない人、あるいは骨減少症・骨粗しょう症・変形性関節症(OA)、または乳がん・前立腺がん・肺がんのリスクが高い人に対しては、1日3 mgのホウ素サプリメント摂取が検討される価値があると考えられます。
source