なんとなく気分がすっきりしない。理由ははっきりしないのに、心が晴れない日が続く。忙しい毎日のなかで、そんな感覚を抱えたことのある方は少なくありません。心の状態を支える栄養素というと、鉄や葉酸、ビタミンB群を思い浮かべるかもしれません。
近年、心の健康との関わりが新たに注目されているのが、髪や肌の栄養として知られてきたビオチン(ビタミンB7)です。
2026年1月に専門誌へ報告された14万人規模の追跡研究が、ビオチンの摂取量と、不安や抑うつの起こりにくさとの関わりを示しました。
記事の要点
イギリスの大規模コホート「UKバイオバンク」の14万4,439人を中央値で約14年追跡した観察研究で、食事からのビオチン摂取が多い群ほど、不安・抑うつの発症リスクが低い傾向が報告されました。
最も摂取が少ない群と比べて、それより多い群では発症リスクがおよそ14〜16%低く、この関係は摂取量が1日約45マイクログラムに達するあたりで頭打ちになる「L字型」を描いたと報告されています。
観察研究のため因果関係を示すものではありませんが、ビオチンと心の健康を結ぶ経路の一部を、体内の炎症が媒介している可能性も示されました。