年齢を重ねるとともに、記憶力の低下や認知機能の衰えを感じる人は少なくありません。
こうした脳の老化は、酸化ストレスや慢性的な炎症、細胞レベルでのダメージの蓄積など、複数の要因が絡み合って進行することがわかってきています。
特に近年注目されているのが、脳内の免疫細胞であるミクログリアの老化が神経炎症を引き起こし、認知機能の低下に直結するというメカニズムです。
日本は世界でもトップクラスの高齢化社会であり、認知症の予防やケアは国レベルの課題となっています。
厚生労働省の推計では、認知症の人の数は今後も増加が見込まれており、食事や生活習慣による予防的なアプローチへの関心が高まっています。
そうした中で、赤ブドウの皮などに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」が、脳の老化を遅らせ、記憶力の低下を防ぐ可能性があるとする研究結果が発表され、注目を集めています。
記事の要点
- レスベラトロールを投与された老化モデルマウスは、認知機能と記憶力が有意に改善し、脳内の炎症マーカーやミクログリアの老化指標も低下した。
- その作用メカニズムとして、cGAS-STINGシグナル経路の抑制が特定された。レスベラトロールはSTINGタンパク質の移動を阻害し、下流の炎症シグナルをブロックすることで神経炎症を軽減する。
- レスベラトロールは赤ブドウの皮、ブルーベリー、ラズベリー、ピーナッツなどに含まれるが、単独のサプリメントに頼るのではなく、バランスの取れた食事や運動と組み合わせることが重要とされている。