緊張するとおなかが痛くなる。気持ちが沈んだ日は、食欲もどこかへ行ってしまう。そんな経験をされた方は、少なくないのではないでしょうか。
心の状態とおなかの調子が、まるで連動しているように感じる場面は、日々の暮らしのあちこちに顔を出します。
近年の研究では、この感覚が単なる気のせいではなく、脳と腸、そして腸の中で暮らす無数の細菌が、互いに信号をやり取りしながらつながっていることが分かってきました。
そして今、ヨガや瞑想といった心身を整える習慣が、この腸内細菌のバランスにも関わっているのではないか、という視点から研究が積み重ねられています。
2026年に学術誌インターナショナル・ジャーナル・オブ・ヨガに掲載された一本のシステマティックレビューは、ヒトを対象にした研究を集め、ヨガと瞑想が腸内細菌叢に与える影響を整理しました。
心を落ち着ける習慣が、おなかの中の小さな世界にどう響いていくのか。今回はその内容を、順番にたどっていきます。
記事の要点
- ヨガや瞑想といった心身の習慣が、脳と腸と腸内細菌をつなぐ経路を通じて、おなかの環境にも関わりうるという見方が、近年の研究で注目を集めていることが見えてきます。
- 今回のシステマティックレビューが、世界中の研究の中からどのような基準で対象を絞り込み、何を手がかりに腸内細菌の変化を読み取ろうとしたのかが分かります。
- ヨガと瞑想を続ける人で、どの善玉菌や代謝物に変化が見られたのか、そしてそれが心と体の健康とどう結びつくと考えられているのかを整理します。