最新|糖尿病予備群の高齢者にマグネシウムを補充したら何が起きたか:最新の臨床試験からわかったこと

最新|糖尿病予備群の高齢者にマグネシウムを補充したら何が起きたか:最新の臨床試験からわかったこと

日本では現在、糖尿病患者とその予備群を合わせると約2,000万人にのぼると推計されています。特に高齢化が進む中で、「糖尿病予備群(前糖尿病)」と呼ばれる状態への対策は、医療費の抑制や生活の質の維持という観点からも急務となっています。

そんな中で注目されているのが、ミネラルの一種であるマグネシウムです。マグネシウムは骨や筋肉の健康だけでなく、インスリンの働きや血糖調節にも深く関わっていることが、これまでの研究で示されてきました。

日本人の食事では、マグネシウムの摂取量が不足しがちとも言われており、特に高齢者では吸収率の低下も重なるため、体内のマグネシウム不足は珍しくない状態です。

では実際に、マグネシウムを補充することで血糖値はコントロールできるのでしょうか。2026年2月、中国疾病予防控制センターの研究チームが、糖尿病予備群かつ低マグネシウム血症の高齢者を対象とした無作為化比較試験(RCT)の結果を学術誌「Frontiers in Nutrition」に発表しました。その内容を、できるだけわかりやすくお伝えします。

◼️論文タイトル

低マグネシウム血症を伴う糖尿病予備群の中国人高齢者において、マグネシウムの経口補充が血糖コントロールを改善する:無作為化比較試験

記事の要点

  • 糖尿病予備群かつ低マグネシウム血症の高齢者(平均年齢68.7歳)71名を対象に、4ヶ月間のマグネシウム(酸化マグネシウム、1日360mg)補充を行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。
  • マグネシウム補充群では、プラセボ群と比べて空腹時血糖値(FPG)が有意に低下しました(約0.5mmol/L減)。ただし、HbA1c・インスリン抵抗性・炎症マーカーなどの改善は確認されませんでした。
  • マグネシウムが不足している人に対して補充することで血糖値への効果が見られる可能性が示されましたが、糖尿病予防における臨床的意義を明らかにするにはさらなる長期・大規模試験が必要です。