最新|鉄を摂っても貧血が改善しないとき:腸内細菌の乱れが吸収を妨げていると分かった

最新|鉄を摂っても貧血が改善しないとき:腸内細菌の乱れが吸収を妨げていると分かった

鉄はヘモグロビンの材料として全身に酸素を運ぶだけでなく、エネルギー代謝や免疫の働きにも関わる栄養素です。だからこそ不足すると、疲れやすさや集中力の低下、立ちくらみなど、日常生活に響く不調につながりやすいとされています。

健診で鉄不足を指摘され、鉄のサプリメントや鉄剤で対策を始めたのに、数値がなかなか改善しない。そんな経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。

世界ではおよそ14億人が鉄欠乏の影響を受けているとされ、鉄は最もありふれた栄養不足のひとつです。それでも鉄を補っているはずなのに、思うように状態が上向かないケースは珍しくありません。

近年、その理由の一端として注目されているのが、腸に棲む細菌たちとの関係です。2026年8月、学術誌『Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition』に掲載されたレビュー論文が、鉄欠乏性貧血と腸内細菌叢のつながりを整理しています。

記事の要点

  • 鉄欠乏性貧血と腸内細菌叢は双方向の関係にあり、細菌叢の乱れは貧血の結果であるだけでなく、鉄の吸収を妨げる要因にもなりうると報告されています。

  • 未吸収の鉄が腸内で病原性のある細菌を増やす「鉄パラドックス」が知られており、鉄を補うほど細菌叢のバランスが崩れやすくなる場合があるとされています。

  • マウスを使った研究では、特定のビフィズス菌が鉄の補充効果を高め、腸内細菌叢や代謝・炎症の状態にも変化をもたらしたと報告されています。