最新 | インスリン抵抗性が12種類のがんリスクを高める:AIが解き明かした代謝と発がんの関係

最新 | インスリン抵抗性が12種類のがんリスクを高める:AIが解き明かした代謝と発がんの関係

インスリンは、食事で血糖値が上がったときに膵臓から分泌されるホルモンで、ブドウ糖を細胞に届けてエネルギーに変える働きを担っています。

このインスリンの指示に細胞がうまく反応しなくなる状態が、インスリン抵抗性です。

初期にはほとんど自覚症状がなく、疲れやすさやお腹まわりの脂肪の蓄積、血糖値の不安定さといった形で静かに進行します。糖尿病の手前の段階と捉えられがちですが、実はそれだけにとどまりません。

日本でも、食生活の欧米化や運動不足の影響で、糖尿病の予備群を含めると約2,000万人に及ぶと推計されています。健康診断で血糖値がやや高めと指摘されながらも、そのまま放置している人は少なくないでしょう。

しかし最新の大規模研究では、インスリン抵抗性が糖尿病だけでなく、少なくとも12種類のがんのリスク上昇と密接に結びついていることが明らかになりました。

しかも、体重そのものよりも代謝の健康状態のほうが、がんリスクをより正確に予測するという結果が出ています。

記事の要点

  • 機械学習を用いた大規模分析で、インスリン抵抗性が子宮がん(約134%増)、腎臓がん(約56%増)、食道がん(約46%増)など少なくとも12種類のがんリスクの上昇と関連していることが判明した。
  • 体重が重くてもインスリン感受性が正常な人ではがんリスクの上昇が見られず、体重よりもインスリン抵抗性の有無のほうが、がんリスクの予測因子として有用であることが示された。
  • インスリン抵抗性は糖尿病の発症よりも何年も前から進行しており、HOMA-IRという簡易指標で早期に検出して介入できる可能性がある。