ドライアイは目の表面の病気で、目のかすみや不快感、充血などを引き起こし、現代人にとって身近な悩みのひとつになっています。
スマートフォンやパソコンの普及、エアコンの使用増加などを背景に、 日本でも患者数は増え続けており、推計では数百万人規模といわれています。
一方、ビタミンDは骨の健康だけでなく、炎症を抑えたり免疫を調整したりする働きがあることが近年明らかになってきました。
目の表面(眼表面)は、免疫や炎症と深く関わる組織であることから、ビタミンD 不足がドライアイに影響するのではないかという仮説が研究者の間で注目されていました。
2026年、アメリカの研究チームがこの問いに答える大規模な研究結果を発表しました。約1,200万人という膨大なデータを使った後ろ向きコホート研究で、ビタミンD欠乏とドライアイ発症の関係が統計的に明確に示されています。
◼️論文タイトル
ビタミンD欠乏とドライアイ疾患:後ろ向きコホート研究
掲載誌:American Journal of Ophthalmology
記事の要点
- アメリカの大規模医療データベースを用い、ビタミンD欠乏のある患者約604万人と欠乏のない患者約604万人を比較した、世界最大規模のドライアイ関連研究のひとつです。
- ビタミンD欠乏のグループでは、欠乏のないグループと比べてドライアイを発症するハザード比が1 .286倍(約28.6%リスク増)と統計的に有意に高い結果が示されました。
- ビタミンD欠乏がドライアイの修正可能なリスク因子である可能性が示唆されており、ビタミンD補充による予防・管理の効果を検証する前向き試験の必要性が指摘されています。