同じ200キロカロリーでも、噛む時間を加えると食後の熱産生は2倍になった

同じ200キロカロリーでも、口にとどめて噛む時間を加えると食後の熱産生が変わりました。食べ方と体の反応を研究データから読み解きます。

昼食を急いで流し込んだ日と、ひと口ずつ味わって食べた日。食べた量が同じなら、体の反応も同じに思えます。

ところが、食後に体が使うエネルギーは、口の中で過ごした時間によって変わることが分かってきました。味わい、噛み、飲み込むまでの時間から、消化に向けた体の反応はすでに始まっています。

食後に体が熱をつくる

食事をすると、安静にしていてもエネルギー消費が増えます。消化、吸収、栄養素の運搬、代謝、貯蔵にエネルギーを使うためです。この増加分を食事誘発性熱産生と呼びます。

「食べると体が温かくなる」と感じることがあります。その背景にある反応の一つです。一般には、食べた量や、たんぱく質・脂質・炭水化物といった食事の中身が影響します。

では、同じものを同じ量だけ摂ったとき、口の使い方も食後の熱産生を変えるのでしょうか。

2021年にScientific Reportsへ掲載された研究では、健康で標準体重の男性11人が、200キロカロリーのココア味飲料を3通りの方法で摂りました。参加者全員が別の日にすべての方法を試す、無作為化クロスオーバー試験です。

  • 20ミリリットルずつ、そのまま飲み込む
  • 口に30秒とどめ、味わってから飲み込む
  • 口に30秒とどめ、その間1秒に1回のペースで噛む動きをしてから飲み込む

飲料を使ったのは、胃へ入る食べ物の大きさをそろえ、味わう時間と噛む刺激だけを比べるためでした。