野菜の色素を体の中へ運ぶ乗り物は、野菜そのものにはほとんど積まれていません。にんじんの橙や、ほうれんそうの緑の奥にある黄色を生む色素、カロテノイドは油に溶ける性質があり、腸から吸収されるには一緒に食べる脂質の助けが必要です。
加熱した野菜料理に全卵を添えると、カロテノイドの吸収がどれだけ変わるかを女性で調べた試験が、Food & Function 誌に発表されました。初回のオンライン公開は2026年9月29日、巻号への掲載は10月19日です。
対象は閉経前の女性9人と閉経後の女性8人です。同じ人が卵なしの食事と卵100gを添えた食事の両方を食べ、食後10時間の血液を比べました。少人数の食後の吸収を見た試験で、卵そのものにもカロテノイドが少し含まれています。
結果は、卵を添えた食事で、カロテノイドの血液への取り込みが閉経前で約3.6倍、閉経後で約6.2倍でした。この差を生む鍵は、卵黄に含まれる脂質です。
記事の要点
- 閉経前後の女性17人で、加熱した野菜料理に全卵100gを添えると、カロテノイドの取り込みが平均で約3.6倍・6.2倍でした。
- カロテノイドは、卵黄の脂肪酸とリン脂質がつくる小さな粒に溶け込んで、初めて小腸の細胞に取り込まれます。
- 野菜に多いβ-カロテンは体内でビタミンAになり、日本人のビタミンA摂取量は平均で推奨量に届いていません。
この先では、卵黄のリン脂質が消化酵素で形を変えたときに色素の取り込みがどう変わったかを、細胞の実験の結果から紹介します。卵の量を変えた先行試験の比較と、にんじん・ほうれんそうに卵や油を組み合わせる食卓の量の目安も整理しました。
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