骨を守る栄養といえば、カルシウムやビタミンDを思い浮かべるかもしれません。では、魚や肉、卵などに含まれるビタミンB12はどうでしょうか。血液や神経の働きを支えるこのビタミンについて、血中濃度の低さと、その後の骨折との関連を調べた新しい研究が公表されました。
血中B12が低い人では骨折ハザードが高かった一方、B12と葉酸を補給した別の試験では、参加者全体の骨折の明確な減少は確認されていません。観察研究は血中濃度と骨折の関連を、補給試験は栄養素を加える効果を調べています。対象者と研究方法も、それぞれ異なります。
また、B12は食品から口に入ったあと、胃や小腸でいくつかの過程を経て吸収されます。魚や肉を十分に食べていても、胃腸の状態や薬の影響で不足する場合があります。食品に含まれる量と、吸収を左右する条件の両方が関わります。
食事では、さば缶や鮭、卵から摂れる量を一食分で比べると、B12の供給源を選びやすくなります。検査値が低いときには、食事の内容に加え、服薬歴やしびれなどの症状も確認します。食べたものの記録と検査結果は、摂取量の不足や吸収の問題を調べるための情報になります。
記事の要点
50歳以上を対象にした観察研究では、血中B12が199 pg/mL以下の群は300~900 pg/mLの群より骨折ハザードが高く、比は1.33でした。この研究では、測定時の血中濃度と、その後の骨折との関連を調べています。
65歳以上2919人のB-PROOF試験では、B12と葉酸の2年間の補給による骨粗鬆症性骨折の明確な減少は、全体では確認されませんでした。
B12の不足には、食品の摂取量、吸収の状態、服薬などが関わります。検査値と症状をあわせて確認し、転倒歴や過去の骨折を含む骨折リスク全体も評価します。
この先では、骨折ハザード比1.33が表す内容と、B12・葉酸を補給した試験の結果を紹介します。さば缶・鮭・卵の一食分に含まれるB12を比べ、胃から腸へ進む吸収の過程も説明します。さらに、検査値が低いときに確かめたい食事、薬、症状の情報と、補給が検査結果に及ぼす影響を具体的に取り上げます。