同じ栄養素をとっても、はっきり効いた人と、ほとんど変わらなかった人がいる。栄養と心の関係を調べた研究では、こうした「効いた人と効かなかった人の差」がしばしば顔を出します。
全体の平均だけを見ていると見過ごしてしまう差ですが、実はそこにこそ、その栄養素がどんな場面で力を発揮するのかというヒントが隠れています。
2026年、専門誌『Depression and Anxiety』に、ビタミンB6と気分の関係を確かめたランダム化比較試験が報告されました。一般の成人267人に、ビタミンB6かプラセボ、あるいはビタミンB12を1か月とってもらい、気分の変化を比べたものです。
結果を分けたのは、始める前の状態でした。今回はこの研究を、できるだけ原文に沿って読み解きます。
記事の要点
一般成人267人の二重盲検試験で、ビタミンB6を1か月とったところ、始める前に落ち込みがあった人だけ抑うつの数値が大きく減ったと報告されました。
落ち込みが目立たなかった人では変化が小さく、不安やストレスの数値にはB6の効果は見られませんでした。
使われたのは1日100mgと高めの量で、日常では、かつおやまぐろ、鶏むね肉などの食事からB6を満たすことが現実的な入り口になります。