65歳以上の20人に、乾燥セージの抽出物を167mgから1,332mgまで4段階の量で飲んでもらうと、記憶の成績がいちばん上がったのは2番目に少ない333mgでした。英国などの研究グループが2008年に報告したこの結果は、セージが「多いほど効く」ハーブではないことを示しています。
2026年10月20日、米国の健康ニュースサイトNatural Newsが「セージの持つ癒しの力:現代の健康に役立つ古代のハーブ」という記事を掲載しました。セージ(学名サルビア・オフィシナリス)は地中海原産のシソ科の常緑低木で、記事は抗酸化、抗炎症、消化、更年期のほてりと並べて、記憶や認知を支える働きを紹介しています。
ただし記事自体は研究を挙げていないため、ここでは人を対象にした原著に戻り、記憶の働きに関わる仕組みと、そこに関わる栄養素を見ていきます。
記事の要点
- セージの葉の抽出物は、記憶に関わる神経の伝達物質アセチルコリンを分解する酵素を抑え、健康な若い人と高齢者で一度の服用後に記憶や注意の成績が上がったと報告されています。
- アセチルコリンの材料の一つアセチルCoAは、ビタミンB1を補酵素にする酵素がブドウ糖から作っており、B1が欠けたラットでは脳のアセチルコリン合成が落ちました。
- ビタミンB1は豚肉・うなぎ・玄米に多く、白米中心の食事やアルコールで不足しやすいため、主食と主菜の選び方が日々の土台になります。
この先では、セージの抽出物を飲んだ人の試験で量によって結果がどう変わったかを紹介し、記憶の物質が「作られる側」でビタミンB1が担う役割を、脳の酵素の単位で説明します。豚ヒレ・うなぎ・玄米ごはんの1食分に含まれるB1の量と、日本人の摂取量・推奨量の比較もまとめました。