最新|和食は漬物の扱いで評価が割れる:胃の中の反応を止めるのはビタミンC

最新|和食は漬物の扱いで評価が割れる:胃の中の反応を止めるのはビタミンC

和食をひとまとまりで「健康的」と呼ぶのは、少し大ざっぱなのかもしれません。2026年に学術誌Advances in Nutritionに掲載された系統的レビューは、日本人を対象にした観察研究37報を集め、和食らしい食べ方の点数が高い人ほど、全死亡と心血管病による死亡のリスクが低いという関係を報告しました。

一方で、同じ「伝統的」とされる食事パターンでも、胃がんとの関係は研究ごとに向きが分かれていました。研究チームが注目したのは、米・みそ汁・魚・漬物の寄与が大きい「伝統型」と、野菜や現代の食品まで幅広く含む「健康型」の違いです。

胃がんの発生では、この2つが逆の向きの推定値を示しており、塩分の多い伝統食品が関わっている可能性が挙げられています。そこで和食を「よい伝統食品」「塩分の多い伝統食品」「現代の食品」の3層に分けて考える枠組みが、検証前の仮説として提案されました。

塩分の多い漬物や干物は、胃の中で起きるある化学反応とも縁があります。その反応を、水溶性ビタミンのビタミンCが手前で止めることが、人の胃液や試験管の実験で確かめられています。和食の評価を割る1皿と、それを補う栄養素の関係を見ていきます。

記事の要点

  • 和食らしい食べ方の点数が高い人ほど全死亡は12%、心血管病による死亡は18%低い関係でしたが、胃がんでは食事パターンにより向きが分かれました。
  • 漬物や干物に由来する亜硝酸は、胃の酸の中でがんの原因になりうる物質を作り、ビタミンCはその材料を無害なガスに変えて反応を止めます。
  • 日本人の平均的なビタミンC摂取量は推奨量の100mgに届いておらず、漬物のある食卓に生の野菜や果物を1品足す意味があります。

この先では、和食の評価を割った「伝統型」と「健康型」の食品の違いと、胃の酸の中でビタミンCが働く仕組みを図にしました。脂の多い食事では反応が逆向きになるという実験結果や、ピロリ菌が胃液のビタミンCを減らす報告、1日100mgを食品で満たす組み合わせも紹介します。