コロナにかかってから半年、1年が過ぎても、頭に霧がかかったような感覚や、寝ても取れない疲れが続いている。そう感じている方は、少なくないのではないでしょうか。倦怠感や集中力の低下、睡眠の質の落ち込みは、コロナ後遺症でよく報告される症状です。
その手がかりの一つが、腸にすむ細菌にあるかもしれないという報告が、学術誌『Comprehensive Physiology』に掲載されました。
ドイツ・アーヘン工科大学病院の研究チームが、コロナ後遺症の患者を対象に、腸内細菌の構成と脳のMRI画像を突き合わせて調べたところ、特定の細菌の増減と、脳の複数の領域に見られた変化との間に、いくつもの関連が見つかったといいます。
腸はウイルスの受容体が多く存在する臓器でもあり、感染後の腸内環境の乱れが後遺症の背景にあるのではないかと、これまでも指摘されてきました。今回の研究は、その腸の変化と脳の変化を、同じ患者の中で直接結びつけて調べた点に特徴があります。
記事の要点
コロナ感染から平均9.2か月が経過した後遺症患者42人の腸内細菌を健康な30人と比較すると、細菌の構成全体が統計的に有意に異なっていました。
睡眠の質の低下や頭を使う場面での疲労感、2型糖尿病といった症状や因子ごとに、増減していた特定の腸内細菌との関連が確認されています。
脳のMRI画像でも、視床や脳幹、海馬、大脳基底核など複数の領域に見られた変化が、特定の腸内細菌の増減と結びついていたと報告されています。