ミネラルと聞いて思い浮かぶのは、カルシウムや鉄、亜鉛あたりでしょうか。健康番組やサプリメントでもおなじみの名前です。
けれど、私たちの体には、名前をほとんど聞くことのない、それでいて欠かせないミネラルがいくつもあります。モリブデンも、その一つです。
読み方さえなじみが薄いこのミネラルは、体の中で大切な酵素のはたらきを支える必須の微量元素でありながら、日本の食卓では意識せずとも十分に満たせてしまう、少し珍しい存在でもあります。理由は、大豆製品と穀物を中心にした和食にあります。
今回は、この隠れ必須ミネラル、モリブデンの正体と、和食との相性のよさをたどってみます。
記事の要点
モリブデンは、体内でいくつかの酵素がはたらくために欠かせない必須の微量元素で、日本人の食事摂取基準では成人の推奨量が男性30マイクログラム、女性25マイクログラムと定められています。
大豆製品と穀物に豊富で、納豆は100グラムあたり約290マイクログラム、玄米ご飯は約34マイクログラムを含みます。和食を続けている日本人の平均摂取量は1日225マイクログラム前後と、推奨量を大きく上回ると報告されています。
大豆と米を中心にした和食は、世界的に見てもモリブデンを豊富に摂れる食事とされ、ふつうに食べているかぎり不足の心配はほとんどない、心強いミネラルです。