ビタミンB2(リボフラビン)は、エネルギー代謝や抗酸化防御に関わる必須栄養素として広く知られています。
乳製品、卵、肉、緑黄色野菜などに含まれ、体内では補酵素であるFMNやFADに変換されて、細胞を酸化ダメージから守る役割を果たしています。
私たちの体はビタミンB2を自ら合成できないため、食事からの摂取が不可欠です。
しかし、この守りの機能が、思わぬ形でがん治療の壁になっている可能性が明らかになりました。
ドイツのヴュルツブルク大学ルドルフ・ウィルヒョウ・センター(RVZ)の研究チームが、ビタミンB2の代謝ががん細胞の生存を助けているという新たなメカニズムを発見し、その成果がNature Cell Biology誌に2026年3月13日付で発表されました。
日本でもがんは依然として死因の第一位であり、従来の化学療法の副作用に悩む患者も多いなかで、栄養素の代謝を標的とした新しい治療戦略は大きな関心を集めています。
記事の要点
- ビタミンB2の代謝が、がん細胞をフェロトーシス(鉄依存性の細胞死)から守る仕組みに関与していることが判明した。
- CRISPR-Cas9スクリーニングにより、リボフラビンがFSP1タンパク質の安定性を支え、脂溶性抗酸化物質のリサイクルを助けていることが解明された。
- 細菌が産生する天然化合物ロゼオフラビンが、低濃度でがん細胞にフェロトーシスを誘導できることが実験で示された