気分の落ち込みとビタミンD不足の関係を調べた研究はこれまでにも数多く発表されてきましたが、12年間・26万件を超える健診データを積み重ねてこの関係を追いかけた例は多くありません。
ビタミンDとうつ症状をめぐっては、関連ありとする観察研究と、サプリメントで補充しても効果がはっきりしないとする介入試験とが、長年かみ合わない形で並んでいました。
韓国の職域健診コホートを使った最新の研究は、この食い違いを説明しうる手がかりを示しています。血中ビタミンDとうつ症状の関係が、これまで考えられていたよりずっと限定的な、ある一部の人に集中した形をしていることが分かったのです。
記事の要点
- 血中ビタミンDとうつ症状の関係を調べた大規模研究で、有意な関連は「10ng/mL未満」の重症欠乏の人だけに見られました。
- 20〜30ng/mLの不足・軽度欠乏の範囲では、うつ症状との統計的な関連は確認されませんでした。
- 影響の大きさで比べると、ビタミンDよりも睡眠の質のほうが、うつ症状との結びつきが強いことも分かりました。
この先では、血中ビタミンDと睡眠の質がうつ症状に与える影響の度合いを比較したデータの詳細や、12年間のコホート調査から見えてきた個人間・個人内の変動が持つ意味について、さらに詳しく掘り下げて解説しています。