秋のさんまをおいしく焼く:調理実験ではDHAの約8割が焼いた身に残った

秋のさんまをおいしく焼く:調理実験ではDHAの約8割が焼いた身に残った


さんまを焼くと、皮の表面に脂がにじみ、台所に香ばしい匂いが広がります。皿には大根おろしを添えて、すだちをひと絞り。農林水産省も秋をさんまの旬として紹介しており、塩焼きは長く親しまれてきた食べ方です。

その脂に含まれる栄養として知られているのが、EPAとDHAです。魚の売り場や缶詰の表示で名前を見かけると、「焼いたときにも残るのだろうか」と気になることがあります。グリルの受け皿へ落ちる脂を見ていると、栄養も一緒に落ちているように感じるかもしれません。

さんまを使って、焼く、フライパンで焼く、油で揚げるという3つの調理法を比べた研究があります。焼いた身に残ったDHAは、調理前の約8割。さらに、魚から減った成分がどこへ移ったのかを調べると、調理中に流れ出る脂の存在が浮かび上がりました。

魚を選ぶときの成分表と、調理を終えた皿の上。その間で起こる変化を知ると、塩焼きやフライパンで作る一品に、どのくらい栄養が残るのかを具体的に考えられます。秋の一尾を、脂の行方からたどってみましょう。

記事の要点

  • さんまの調理実験では、焼いた身にDHAの84%、EPAの87%が残りました。加熱前後の重量を考慮した保持率で、いつもの焼き魚にも両成分が残ります。
  • 研究では、焼くときに出る脂や揚げ油への移動が、EPA・DHAの損失に大きく関わっていました。魚の脂がどこへ移るかが、調理を考える手がかりになります。
  • 成分表の100gあたりの量と、調理前の一切れから残る割合は、それぞれ異なる問いに答えます。食べる量と調理法を合わせて考えると、一皿の栄養を理解できます。

この先は、グリル・フライパン・揚げ物での保持率の違いと、減った脂の行き先を、研究の数値に沿って解説しています。成分表の見方や、秋のさんまの焼き方の選び方にも触れています。