乾しいたけを水に沈めて、冷蔵庫でひと晩。翌朝の戻し汁は、澄んだ琥珀色になっています。あの香りとうま味は、乾かして、また水を含ませるという二度の変化を通ったからこそのものです。
しいたけは、木から栄養を受け取る菌の子実体です。生のまま焼けば弾力のある具になり、乾かして戻せば、だしと具を一度に担います。同じ「しいたけ」でも、原木か菌床か、傘がどこまで開いたか、生か乾燥か。条件が違えば、売り場の表示も、使い方も、成分表の数字も変わってきます。
とりわけビタミンDは、形ごとに値が変わります。生しいたけ、乾しいたけ、紫外線を当てた製品では量が違い、乾物100 gと生鮮100 gは、そもそも同じ一食として比べるものでもありません。
この図鑑では、一枚のしいたけを、木材を分解する生態から日本の栽培史、原木と菌床、どんことこうしん、だしの文化、栄養、紫外線とD2、ヒト研究、皮膚炎まで17章でたどります。