枕元に置いたか、15cm以上離したか。ラベンダー精油の香りで眠りを助けようとした試験をまとめると、この置き場所の違いで結果の出方が分かれていました。
2026年、中国・上海交通大学医学院附属瑞金医院の研究グループが学術誌Holistic Nursing Practiceに、ラベンダー精油と大人の睡眠の質についての解析を発表しました。2014年から2024年に報告された11の試験、合わせて628人のデータをまとめたもので、精油を使ったグループで睡眠の質のスコアが改善したと報告されています。
香りが効くなら、受け取る側の鼻の状態も結果を左右するはずです。においを感じる神経は、外の空気に直接触れる珍しい神経で、一生のあいだ新しい細胞に入れ替わり続けています。その入れ替わりを支える仕組みの中心に、ビタミンAからつくられる物質がいることが、動物の研究で確かめられています。
記事の要点
- ラベンダー精油を使った11の試験(628人)をまとめると、睡眠の質のスコアが改善しており、2週間以上の使用と枕元に置く使い方で効果がはっきりしていました。
- マウスでは、鼻のにおいの経路を壊すとラベンダーの眠りを促す作用が消え、香りが鼻から脳に届くことが作用の入口でした。
- においを感じる神経の補充にはビタミンAからつくられるレチノイン酸が必要で、日本人のビタミンA摂取量は平均で推奨量に届いていません。
この先では、ラベンダーの効果が出た使い方・出なかった使い方を条件ごとに並べ、香りが眠りの回路に届く道筋をマウスの実験から説明します。においを感じる神経がビタミンAを使って入れ替わる仕組み、ビタミンAを含む点鼻薬の試験、日本人の摂取量と食品ごとの含有量も具体的な数字でまとめました。
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