ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、平均赤血球容積、フェリチン。貧血の回復を見る検査値が、ビタミンD不足の人にビタミンDを加えた群で、ほかの2群より大きく動いたと報告されました。
ニューデリーの全インド医科大学(AIIMS)の研究チームが、2026年9月にThe Journal of Nutritionで公表した研究です。対象は鉄欠乏性貧血の成人385人で、鉄を含むサプリメントを90日間続ける治療のなかで、ビタミンDの状態による違いが比べられました。
鉄欠乏性貧血は、世界でもっとも多い貧血のタイプとされています。鉄が足りなければ鉄を補う、というのが基本です。
研究チームは、ビタミンDなどの微量栄養素の不足が、赤血球をつくる働きや鉄の代謝を妨げる可能性を指摘し、インドの人たちでの臨床データが限られていたことを研究の背景に挙げています。
記事の要点
- 鉄欠乏性貧血の成人385人を、ビタミンDが足りている群(109人)、不足していて鉄サプリのみの群(138人)、不足していて鉄サプリにビタミンDを加えた群(138人)に分け、90日後の貧血指標を比べた。
- 3群とも90日で改善したが、改善はビタミンDを加えた群が最も大きく、次がビタミンDが足りている群、最も小さいのが不足していて鉄サプリのみの群だった。
- 補正後の解析では、ヘモグロビン・ヘマトクリット・赤血球数・フェリチンなどで、ビタミンDを加えた群がほかの2群を上回った。
この先では、3つの群が90日間に摂ったサプリメントの内容と、ヘモグロビンやフェリチンなど各検査値の意味を整理します。ビタミンDの変化と貧血指標の結びつき、鉄とビタミンDの関係を食事へつなげる視点、研究の限られた範囲もまとめました。