要旨
目的
腸内細菌(Gut Microbiota:GM)は、これまでに齧歯類(マウス・ラット)の行動変化と関連があることが示されてきました。
腸内細菌は食事内容によって影響を受けるため、食事の組成が行動変化に重要な役割を果たしている可能性があります。
興味深いことに、マグネシウム(Mg)制限食は、不安やうつ様行動を誘発することがヒトや齧歯類で確認されており、この行動変化は腸内細菌の変化を介して生じている可能性が考えられます。
方法
本研究では、C57BL/6マウスに標準食またはマグネシウム欠乏食(MgD)を6週間投与し、その後「強制水泳試験(FST)」でうつ様行動を評価しました。
さらに、耐糖能試験(GTT)を行い、代謝への影響を検証しました。
また、海馬の神経炎症マーカーを分析し、腸内細菌の構成と行動、炎症マーカーとの関連を検討しました。
結果
- 6週間マグネシウム欠乏食を与えたマウスは、FSTにおいて不動時間が有意に増加し、うつ様行動が増加していました。
- 耐糖能(GTT)には有意な差は見られませんでした。
- 健常マウスにおいて、腸内細菌の構成は行動と正の相関を示しました。
- マグネシウム欠乏食は腸内細菌叢を変化させ、その変化は海馬のIL-6(炎症性サイトカイン)と正の相関がありました。
結論
本研究は、マグネシウム欠乏食が腸内細菌—腸—脳軸のバランスを乱し、うつ様行動の発症に関与する可能性があることを示唆しています。
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