最新|システインは諸刃の剣だった:摂りすぎても摂らなさすぎても細胞死を招くと判明

最新|システインは諸刃の剣だった:摂りすぎても摂らなさすぎても細胞死を招くと判明

多すぎても少なすぎても調子を崩してしまうもの、体の中には意外と多くあります。サプリメントの成分表でもよく見かけるアミノ酸の一つ、システイン。

抗酸化物質グルタチオンの材料として知られ、不足すると良くないというイメージを持つ方も多いかもしれません。ところが、その逆、つまり「多すぎる」ことも、細胞にとっては見過ごせない問題になるようです。

2026年9月、ロックフェラー大学の研究チームが、細胞を使った実験で、システインが多すぎても少なすぎても、いずれも細胞死につながる仕組みを明らかにしたと発表しました。

少なすぎる場合に細胞死が起こること自体は以前から知られていましたが、今回の研究が示したのは、「多すぎる」場合にも、少なすぎる場合とは異なる経路を通じて、同じように細胞が死んでしまうという発見です。

なぜ体はシステインの量をこれほど厳密に保とうとするのか。その背景には、鉄という、もう一つの重要なミネラルとの意外な関わりがありました。

記事の要点

  • ロックフェラー大学の研究チームが、細胞を用いた実験で、システインが過剰になるとミトコンドリア内に鉄が蓄積し、細胞死が引き起こされる仕組みを明らかにしました。
  • システインはフェリチン(鉄を貯蔵するタンパク質)から鉄を引き出し、細胞質の鉄プールを増やしたうえでミトコンドリアへ鉄を蓄積させることがわかりました。
  • 一方、システインが不足した場合は、抗酸化物質グルタチオンが枯渇することで、フェロトーシスと呼ばれる別の経路の細胞死が起こることも、あわせて確認されています。

この先は、システインが鉄をミトコンドリアに集めてしまう仕組みと、細胞を守る2つの方向を、研究の流れに沿って解説しています。食事でのシステインの捉え方や、基礎研究としての読み取り方にも触れています。