体調も食生活も変えていないのに、健診のHbA1cだけが急に上がっていた、という経験をする方がいます。
血糖そのものを示す空腹時血糖は正常なのに、過去1〜2か月の平均的な血糖の状態を示すとされるHbA1cだけが高く出る。
この食い違いの背景に、鉄不足が関わっている可能性を、ブラジルの研究チームがまとめたメタ解析が示しました。
記事の要点
- 鉄欠乏性貧血がある人は、HbA1cの数値が実際より高く出やすいと43件の研究のうち33件で報告されています。
- 貧血に至る前の潜在的な鉄不足の段階でも、同じようにHbA1cが上振れする傾向が確認されました。
- 鉄剤による治療後は、調べた14件の介入研究すべてでHbA1cの数値が下がったと報告されています。
この先では、メタ解析が示したHbA1cの上昇幅と、鉄剤治療後の下がり方を具体的な数値で見ていきます。なぜ鉄不足がこの検査値に影響するのか、赤血球の仕組みから整理し、糖尿病の診断基準と比べた場合の意味、見直しの対象になりやすい人の特徴もまとめました。