最新の記事

JAPAN HEALTH / STORIES
最新|亜鉛が低い人から心臓と腎臓が悪くなっていた:14万人の追跡で死亡が65%高かった

最新|亜鉛が低い人から心臓と腎臓が悪くなっていた:14万人の追跡で死亡が65%高かった

健診の結果票に経過観察と書かれることがあります。血糖がわずかに基準を超えている。血圧が130台で止まっている。体重が去年より少し増えた。どれも治療の対象にはならず、「様子を見ましょう」で終わる数字です。 ただ、その同じ場所から数年で先へ進んでしまう人と、ずっとそこに留まる人がいます。血圧の薬でも血糖の薬でもないところに、二つを分ける要素があるとしたら、それは何なのでしょうか。 2026年7月23日、栄養学の専門誌 Frontiers in Nutrition に、この分かれ目を14万8,490人で調べた論文が掲載されました。台湾の奇美医療センター(Chi Mei Medical C

続きを読む
Japan Health
白桃は水分9割・カリウム180ミリグラム:夏の水分とミネラルを一度に補える果物

白桃は水分9割・カリウム180ミリグラム:夏の水分とミネラルを一度に補える果物

夏の贈り物や食卓を彩る果物といえば、白桃が思い浮かびます。手に取るとふわりと甘い香りが立ち、皮をむくと果汁がしたたる。甘くてやわらかい白桃を数字で見ると、そのみずみずしさを支える栄養の姿が見えてきます。 果肉の大半は水分で、カロリーは意外と控えめ。しかも、汗をかく季節にうれしいカリウムや、おなかの調子に関わる食物繊維を無理なくとれる果物でもあります。 旬を迎えたいま、白桃の栄養を数字とともにたどり、日本の桃文化にも触れてみます。 記事の要点 * 白桃は生100グラムあたり、水分が88.7グラム(約89パーセント)、エネルギーが38キロカロリーと軽く、甘さのわりに体に重くない

続きを読む
Japan Health
最新|COVIDは体内の休眠ウイルスを起こす:入院患者の約半数で再活性化が見つかった

最新|COVIDは体内の休眠ウイルスを起こす:入院患者の約半数で再活性化が見つかった

感染症は、外から入ってきた一つのウイルスと体が向き合う出来事だと思われがちです。ところが私たちの体内には、子どもの頃などに感染したあと、細胞の中に静かに残り続けるウイルスがいくつもいます。ふだんは免疫に抑えられ、存在を意識することはほとんどありません。 新型コロナウイルスに感染したとき、体の中ではSARS-CoV-2だけが動いているのでしょうか。2026年8月5日、学術誌Natureに掲載された研究は、この見方を大きく広げました。 米国20病院に入院した1,154人を最長12か月追い、血液、鼻のぬぐい液、肺の分泌物を調べたところ、急性期には半数近くで別の慢性ウイルスが再び動き出して

続きを読む
Japan Health
最新|ビタミンDは「量」より「形」で骨への届き方が変わった:閉経後女性の骨密度に差が出た

最新|ビタミンDは「量」より「形」で骨への届き方が変わった:閉経後女性の骨密度に差が出た

骨のためにビタミンDをのんでいるのに、検査の数値が思うように上がらない、そんな経験のある方は、少なくないかもしれません。ビタミンDといえば「日光を浴びる」「サプリでとる」と、まず量の話になりがちです。 けれど近年の研究が光を当てているのは、量とは別の切り口、すなわち「どんな形のビタミンDか」という点です。 2026年、閉経後の女性を2年間追った報告が、ある形のビタミンDが骨密度をたしかに高めたことを示しました。同じ「ビタミンD」でも、その形によって体への届き方、そして骨への効き方が変わってくる。 今回は、この「形」という視点から、ビタミンDとのつきあい方を見直してみます。 記

続きを読む
Japan Health
最新|中年のビタミンB12が高い人ほど脳の衰えがゆるやか:14年の追跡で記憶と実行機能の低下が小さかった

最新|中年のビタミンB12が高い人ほど脳の衰えがゆるやか:14年の追跡で記憶と実行機能の低下が小さかった

人の名前がとっさに出てこない、考えをまとめるのに前より時間がかかる、こうした変化を感じると、多くの方が「年のせいだろう」と受け止めます。もの忘れや思考の衰えは、加齢とともに誰にでも少しずつ表れるものです。 けれども、その進み方には個人差があり、日々の栄養状態が関わっている可能性が指摘されています。 2025年に報告されたアメリカの長期研究は、中年のころのビタミンB12の状態が高かった人ほど、その後十数年にわたる記憶や思考の衰えがゆるやかだった、という関連を示しました。今回はこの研究を紹介します。 記事の要点 * アメリカのフレイミンガム子孫研究で、中年から高齢にかけてビタミ

続きを読む
Japan Health
最新|長引く副鼻腔炎はビタミンDが12ng/mL低い:術後の再発が半分以下に減った

最新|長引く副鼻腔炎はビタミンDが12ng/mL低い:術後の再発が半分以下に減った

鼻が詰まる。においが分かりにくい。顔の奥が重く、頭がすっきりしない。風邪をひいたわけでもないのに、その状態が数週間、人によっては何年も続く。慢性副鼻腔炎は、そういう病気です。 診断基準に沿って数えた有症率は5%未満ですが、鼻の症状だけで拾うと1割近くにのぼり、鼻茸(鼻ポリープ)を伴うタイプは診断された人の約3分の1を占めます。 難しいのは、手術で鼻の中をきれいにしても戻ってきてしまうことがある点です。抗菌薬、ステロイド、鼻の洗浄、そして手術。手は尽くしているのに、なぜ鼻と副鼻腔の炎症だけがこんなに長引くのでしょうか。 2026年7月24日、Frontiers in Immunol

続きを読む
Japan Health
ししとうはビタミンCとKを丸ごととれる夏の緑黄色野菜:10本に1本の辛さも個性【保存版】

ししとうはビタミンCとKを丸ごととれる夏の緑黄色野菜:10本に1本の辛さも個性【保存版】

焼き網の上でぷっくりふくらみ、しょうゆをひとたらしすると香ばしい湯気が立つ。ししとうは、夏から初秋の食卓をさりげなく彩る名脇役です。 串に刺した焼きとりの合間に、天ぷらの彩りに、あるいは煮びたしの一品に。小さいながら、その緑の実には夏にうれしい栄養がぎゅっと詰まっています。 ピーマンや唐辛子の仲間でありながら、ほとんど辛くなく食べやすい「甘とうがらし」の一つ。ときどき当たる「10本に1本の辛いの」も、この野菜ならではの楽しみです。 この記事では、ししとうの栄養と、おいしく食べる工夫を、保存版としてまとめます。 記事の要点 * ししとうは100gあたりビタミンCを57mg含

続きを読む
Japan Health
最新|健診で貧血なしでも疲れは鉄不足かもしれない:フェリチンの目安が25と33μg/Lへ見直されつつある

最新|健診で貧血なしでも疲れは鉄不足かもしれない:フェリチンの目安が25と33μg/Lへ見直されつつある

健康診断で「貧血はありません」と言われたのに、朝から体が重く、午後になると集中が続かない。階段で息が上がり、以前ほど動けない気がする、そんな感覚に心当たりのある方は、少なくないのではないでしょうか。 血液検査で異常が出ていないぶん、「気のせい」「疲れているだけ」と片づけられてしまいやすい不調です。近年、この背景にある貧血のない鉄不足を、これまでより正しくとらえようとする動きが医学の世界で進んでいます。 手がかりになるのが、貯蔵鉄の量を映すフェリチンという検査値です。その目安が、生理学にもとづいて見直されつつあります。今回はこの新しい流れを紹介します。 記事の要点 * ヘモグ

続きを読む
Japan Health
最新|ビタミンKは脳で神経を生む働きに関わる:日本の研究が活性を約3倍に高めた化合物を作った

最新|ビタミンKは脳で神経を生む働きに関わる:日本の研究が活性を約3倍に高めた化合物を作った

ビタミンKと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは血液や骨のことではないでしょうか。けがをしたときに血を固める、あるいは骨を丈夥に保つ。学校や健康情報でそう習った記憶があるかもしれません。 ところが近年、このビタミンKが、脳のなかでもうひとつの顔を持っていることがわかってきました。2025年に日本の研究チームが発表した成果は、ビタミンKをもとに、脳の神経を新しく生み出す働きを大きく高めた化合物をつくり出した、というものです。 今回は、脳とビタミンKの意外なつながりと、その最前線の研究を紹介します。 記事の要点 * ビタミンKは血液を固める・骨を守るだけでなく、脳のなかで神経細胞

続きを読む
Japan Health
最新|タウリンとビタミンB群を2週間摂った大人は「やる気」が上向いた:頑張り度が平均12%高まった

最新|タウリンとビタミンB群を2週間摂った大人は「やる気」が上向いた:頑張り度が平均12%高まった

残暑が続くと、体はだるく、何をするにも腰が重くなりがちです。夏バテの後半、疲れているわけではないのに、あと一歩のやる気が出ない。そんな感覚に心当たりのある人は少なくないはずです。 このやる気、専門的には報酬に向かって努力する意欲的な行動と呼ばれますが、これが栄養で動くのかを調べた無作為化試験が、2026年に報告されました。 タウリンにビタミンB6・葉酸・B12を組み合わせて2週間摂ったところ、健康な大人の「頑張り度」が平均12%上向いた、という内容です。特定の商品ではなく、栄養素の組み合わせそのものを検証した点に特徴があります。 記事の要点 * 2026年3月にFronti

続きを読む
Japan Health
カフェインの抗がん作用:細胞レベルで見えてきた防御メカニズム

カフェインの抗がん作用:細胞レベルで見えてきた防御メカニズム

※この記事は、旧Japan Healthアカウントで公開した記事を再掲載したものです。 カフェインは、がんの出発点にどう関わるのか、分子レベルの研究から読みとく コーヒーやお茶、チョコレートなどに含まれるカフェインは、日常の中で当たり前のように摂取されている成分です。 多くの場合は眠気覚ましや集中力の向上といった目的で意識されますが、近年ではそれ以上の働きが注目されています。 特に研究が進んでいるのが、細胞レベルでの作用です。日本においてもがんは主要な健康課題であり、日々の生活習慣が長期的なリスクに関わることが知られています。 その中で、日常的に摂取するカフェインが体内でど

続きを読む
Japan Health
最新|亜鉛はうつに腸からも関わっていた:亜鉛不足のラットでは抗うつ薬が効かなかった

最新|亜鉛はうつに腸からも関わっていた:亜鉛不足のラットでは抗うつ薬が効かなかった

気分の落ち込みと栄養の話になると、亜鉛の名前はほぼ必ず挙がります。うつ状態の人は血中の亜鉛が低い傾向があるという報告は、これまで何度も繰り返されてきました。 ただ、そこから先はあまり語られてきませんでした。亜鉛は体のどこで、どうやって気分に関わっているのか。長いあいだ、その答えは脳の中だけに求められてきたのです。 2026年8月7日、栄養学の専門誌Nutrientsに、この問いを正面から扱ったレビューが掲載されました。蘭州大学などの研究チームによるもので、題は「亜鉛とうつ病:神経生物学的機能から腸脳相互作用まで」。脳の中の話を丁寧に押さえたうえで、もう一つの舞台として腸を描いていま

続きを読む
Japan Health
納豆完全図鑑|発酵、栄養、歴史、選び方、薬との関係まで

納豆完全図鑑|発酵、栄養、歴史、選び方、薬との関係まで

冷蔵庫から白い容器をひとつ出し、フィルムをはがして、箸を入れる。日本の台所でいちばん繰り返されている調理のひとつが、この十数秒でしょう。 その十数秒の手前には、蒸した大豆と納豆菌が出会ってからの発酵と、低温でゆっくり進む熟成の時間があります。材料は、ほぼ大豆と菌だけ。それでも発酵を境に、糸が生まれ、香りが立ち、ビタミンKやイソフラボンの形まで入れ替わります。 この図鑑の主役は、売り場でいちばん目にする糸引き納豆です。寺納豆、甘納豆、ナットウキナーゼのサプリメントは、名前も成分も近く見えますが、製法も研究の対象も別物。17章を通して、その違いごと味わえるように並べました。

続きを読む
Japan Health