最新の記事

JAPAN HEALTH / STORIES
最新|ビタミンEとアルツハイマー病 : 2つの大規模RCTが示した機能低下の遅延という観点

最新|ビタミンEとアルツハイマー病 : 2つの大規模RCTが示した機能低下の遅延という観点

ビタミンEが脳を守るという話題が、海外の健康系メディアで再び取り上げられています。 その背景には、20年以上前から続いてきたビタミンEとアルツハイマー病に関する2つの大規模ランダム化比較試験(RCT)があります。 古い研究ではあるものの、内容は決して色褪せていません。むしろ今、改めて読み返してみる価値があるテーマです。 今回は、1997年のNEJM論文と2014年のJAMA論文、この2本の臨床試験を軸に、ビタミンEとアルツハイマー病というテーマを整理してみたいと思います。あわせて、結果の読み解き方や注意したい点にも触れていきます。 記事の要点 * 1997年(N

続きを読む
Japan Health
最新|ヨウ素が支える代謝と脳:再び注目される必須ミネラルの現在地

最新|ヨウ素が支える代謝と脳:再び注目される必須ミネラルの現在地

ヨウ素という栄養素にどんな印象をお持ちでしょうか。うがい薬の色、のどに塗る茶色い液、学校で習った甲状腺の薬あたりが、多くの方の最初のイメージかもしれません。 一方で、栄養学の世界では、ヨウ素は、全身の代謝のサーモスタットを動かす必須ミネラルとして静かに地位を保ち続けています。 米国の健康メディアNatural Newsが2026年5月に取り上げた記事では、世界の成人の約74%がヨウ素を十分に摂れていないという報告を引きながら、現代の食生活の変化によってもう一度欠乏が広がりつつある可能性に注意が向けられました。 この記事では、その内容を出発点に、ヨウ素が体の中でどのような役割

続きを読む
Japan Health
最新|熟成ニンニク由来成分S1PCに抗老化作用:脂肪・脳・筋肉をつなぐ新しい経路

最新|熟成ニンニク由来成分S1PCに抗老化作用:脂肪・脳・筋肉をつなぐ新しい経路

ニンニクは健康によいという言い伝えは古くからありますが、その作用の中身が現代の分子生物学で少しずつ解き明かされてきています。 2026年5月8日(日本時間)、米科学誌「Cell Metabolism」に発表された論文では、熟成ニンニク抽出液に含まれる「S1PC(S-1-プロペニル-L-システイン)」という成分が、加齢で衰えやすい筋肉の機能をマウスで改善したことが報告されました。 湧永製薬と、ワシントン大学の今井眞一郎教授が代表を務めるプロダクティブ・エイジング研究機構の共同研究によるものです。 今回はこの研究を取り上げ、わかってきたメカニズムと、日々の食生活への活かし方を整

続きを読む
Japan Health
最新|部分加水分解グアーガムが高齢者の記憶と睡眠を支える可能性 : 12週間試験の報告

最新|部分加水分解グアーガムが高齢者の記憶と睡眠を支える可能性 : 12週間試験の報告

腸の調子を整えると、頭の働きや眠りまで変わってくる。少し前なら少し大げさに聞こえたかもしれないこの話が、ここ数年でずいぶん身近になってきました。 腸脳相関、プレバイオティクス、短鎖脂肪酸といった言葉が一般紙でも目にする時代になり、研究の方も着実に積み上がってきています。 今回ご紹介するのは、京都府立医科大学と太陽化学が共同で行い、栄養学の国際誌『Nutrients』2024年号に掲載された一本のランダム化比較試験です。 60歳以上の健康な方々59名に、グアー豆由来の水溶性食物繊維「部分加水分解グアーガム(PHGG)」を1日5グラム、12週間摂ってもらった結果、視覚的な記憶や

続きを読む
Japan Health
最新|早産児が母乳から十分なビタミンB群を得られない可能性 : ノルウェーの長期追跡研究が示すこと

最新|早産児が母乳から十分なビタミンB群を得られない可能性 : ノルウェーの長期追跡研究が示すこと

母乳は乳児にとって理想の栄養源とされ、WHOも生後6ヶ月までの完全母乳育児を推奨しています。 一方で、早産で生まれた小さな赤ちゃんに限ると、母乳だけでは不足しやすい微量栄養素があるのではないか、という指摘が以前から続いてきました。 2026年1月、ノルウェーの研究チームがこのテーマに正面から踏み込んだ追跡研究をNutrients誌に発表しました。 対象は超低出生体重児(出生体重1500g未満)。在胎期満期相当の時点から生後12ヶ月まで複数回にわたり、ビタミンB群の血中濃度と代謝マーカーを測定した内容です。 今回は、その結果から見えてきたことと、母乳育児を続けるご家庭がど

続きを読む
Japan Health
最新|朝の運動習慣と生活習慣病リスク:Fitbitデータで見えた時間帯の違い

最新|朝の運動習慣と生活習慣病リスク:Fitbitデータで見えた時間帯の違い

運動が体に良いことは、すでに多くの人が実感していると思います。 これまでの運動研究では、どれくらい動くか、どのくらいの強度で動くかが主に見られてきました。 歩数、運動時間、消費エネルギー、心拍数などは、健康づくりを考えるうえで分かりやすい指標です。 今回注目されたのは、そこにもうひとつ加わる時間帯です。 米国心臓病学会の年次学術集会ACC.26で発表された研究では、米国の大規模研究All of Us Research Programに参加した1万4,489人のFitbit由来データを解析し、日常的に朝に運動している人では、肥満、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、冠動脈疾患

続きを読む
Japan Health
最新|マグネシウムが腸内ビタミンD産生を後押しする可能性 : 大腸ポリープ歴のある人を対象とした最新試験

最新|マグネシウムが腸内ビタミンD産生を後押しする可能性 : 大腸ポリープ歴のある人を対象とした最新試験

マグネシウムは骨や筋肉、神経の働きに欠かせない必須ミネラルとして、長年その重要性が語られてきました。 しかし近年、サプリメントとして摂取するマグネシウムが、私たち自身ではなく腸の中の細菌を介して、思いもよらない経路で健康に関わっている可能性が見え始めています。 先日、米ヴァンダービルト大学のチームが、大腸ポリープの既往歴を持つ240人を対象とした臨床試験の結果を公表し、マグネシウムが特定の腸内細菌を増やし、腸壁で局所的にビタミンDが作られる仕組みに関与しているかもしれないという、興味深い知見を示しました。 今回はこの最新の研究結果を整理しながら、私たちが日々の食卓でマグネシ

続きを読む
Japan Health
最新|カプサイシンが腸内細菌を介して血糖値を整える:5-ALAという仲介物質に光が当たる

最新|カプサイシンが腸内細菌を介して血糖値を整える:5-ALAという仲介物質に光が当たる

唐辛子の辛味成分であるカプサイシンには、エネルギー代謝、食欲の調節、血糖値への作用といった代謝への好影響が長らく報告されてきました。 一方で、なぜそれらが起きるのかという核心のメカニズムについては、いくつかの仮説が並走したまま、決定的な像を結ばずにきた印象もあります。 2026年5月1日にMicrobiome誌に掲載されたFang氏らの研究は、その問いに新しい角度から答える内容です。 マウスを用いた実験で、カプサイシンの血糖値改善効果が、腸内細菌が産生する5-アミノレブリン酸(5-ALA)という小さな分子を介して発揮されている可能性が示されました。 今回はこの研究を出発

続きを読む
Japan Health
最新|ビタミンDとメタボリックシンドローム:健診29,214人で見えた20ng/mLの分岐点

最新|ビタミンDとメタボリックシンドローム:健診29,214人で見えた20ng/mLの分岐点

ビタミンDというと、まず骨やカルシウム代謝を思い浮かべる方が多いと思います。しかし近年は、ビタミンDの状態が、血糖、脂質、血圧、慢性炎症、血管内皮機能など、より広い代謝の健康とも関係するのではないかという研究が増えています。 なかでも注目されているのが、内臓脂肪型肥満を土台に、血糖、血圧、脂質の異常が重なっていくメタボリックシンドロームとの関係です。 2026年4月30日、Frontiers in Nutritionに、中国東部の健診受診者29,214人を対象にした大規模横断研究が掲載されました。 テーマは、血清25-ヒドロキシビタミンD〔25(OH)D〕とメタボリックシン

続きを読む
Japan Health
メンバー特典|ビタミン・ミネラル相互作用一覧表を配布します

メンバー特典|ビタミン・ミネラル相互作用一覧表を配布します

Hirokazuメンバーシップにご参加いただいている皆さまへ、今回は保存版の特典資料として「ビタミン・ミネラル相互作用一覧表」を作成しました。 いつも記事を読んでくださり、本当にありがとうございます。 栄養の話では、ビタミンC、ビタミンD、鉄、亜鉛、マグネシウムのように、ひとつひとつの栄養素に注目することが多いと思います。 もちろん、それぞれの栄養素の働きを知ることは大切です。ただ、体の中では栄養素が単独で働いているわけではなく、吸収、運搬、活性化、代謝の段階で、ほかの栄養素と関わり合っています。 たとえば、ビタミンDを考える時にはマグネシウムやビタミンK、カルシウムと

続きを読む
Japan Health
最新|ルテインは加齢黄斑変性にどこまで効くか:早期介入で視力とコントラスト感度の改善が示された最新メタ解析

最新|ルテインは加齢黄斑変性にどこまで効くか:早期介入で視力とコントラスト感度の改善が示された最新メタ解析

加齢にともなって視界がぼやけたり、文字が読みづらくなったりすると、不安を感じる方は多いのではないでしょうか。 なかでも加齢黄斑変性(AMD)は、網膜の中心部にある黄斑が傷み、視野の中心が見えにくくなる病気として知られています。 日本でも高齢化にともない患者数が増えており、目の健康を守るための栄養素として、緑黄色野菜や卵黄に含まれるルテインに注目が集まっています。 そんななか、2026年4月に台湾の研究チームが、ルテインとカロテノイドのサプリメントがAMDに与える影響をまとめた最新のメタ解析を発表しました。 9件のランダム化比較試験、合計860名のデータを統合した、これま

続きを読む
Japan Health
最新|Long COVIDの脳の霧と疲労に自己抗体の影:神経受容体を標的にする免疫反応

最新|Long COVIDの脳の霧と疲労に自己抗体の影:神経受容体を標的にする免疫反応

Long COVIDでは、感染から時間がたったあとも、強い疲労、めまい、動悸、集中力の低下、記憶の抜け落ちるような感覚が続くことがあります。いわゆる脳の霧と呼ばれる状態です。 これまでLong COVIDをめぐっては、ウイルスの残存、慢性炎症、血管・微小循環、ミトコンドリア機能、自律神経の乱れなど、いくつもの仮説が検討されてきました。 そこに今回、新しく注目したい研究が出てきました。 スペインの研究チームは、Long COVIDにあたるPost-COVID Condition(PCC)と、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者を対象に、神経や自律神経の働きに関

続きを読む
Japan Health
最新|ビタミンDと糖尿病予防:遺伝子型で反応が分かれる可能性

最新|ビタミンDと糖尿病予防:遺伝子型で反応が分かれる可能性

ビタミンDは、骨の健康だけでなく、免疫、筋肉、代謝とも関わる栄養素として研究が続いています。なかでも近年注目されているのが、血糖コントロールや2型糖尿病の発症リスクとの関係です。 今回、JAMA Network Openに掲載されたタフツ大学などの研究チームによる解析では、前糖尿病の成人において、ビタミンD3補充への反応がビタミンD受容体遺伝子の型によって分かれる可能性が報告されました。 焦点になったのは、ビタミンD受容体をつくる遺伝子の多型です。 ビタミンDは体内で活性型に変換され、ビタミンD受容体に結合することで細胞に作用します。その受け取る側の違いが、同じビタミンD3

続きを読む
Japan Health