最新の記事

JAPAN HEALTH / STORIES
最新|脳のイオンバランスとうつ病:ケタミンが数時間で効く理由

最新|脳のイオンバランスとうつ病:ケタミンが数時間で効く理由

抗うつ薬を飲み始めても、効果を実感できるまでに数週間かかることがあります。服薬を続けているのになかなか気分が晴れない、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 一方で、近年注目されているケタミンという薬剤は、わずか数時間で気分の落ち込みをやわらげることがあると報告されています。同じうつ病の治療であるはずなのに、なぜこれほど時間差が生まれるのでしょうか。 うつ病は長らく、セロトニンやドーパミンといった脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることで起こる、と説明されてきました。 この考え方は多くの抗うつ薬の開発を支えてきた一方で、なぜ効果が出るまでに時間がかかるのか、な

続きを読む
Japan Health
最新|子宮内膜症の痛みと魚油:オメガ3脂肪酸がもたらす変化

最新|子宮内膜症の痛みと魚油:オメガ3脂肪酸がもたらす変化

月経のある女性のおよそ10人に1人が経験するといわれる子宮内膜症は、強い月経痛や骨盤の痛み、性交痛など、日常生活に影響する症状を伴うことが少なくありません。 手術やホルモン療法といった治療を受けていても、痛みが十分に和らがないまま過ごしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そうした中、2026年3月に学術誌Frontiers in Nutritionに、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸の摂取と、子宮内膜症の痛み・炎症・生活の質(QOL)との関連を追った研究が掲載されました。 中国の研究チームが、単一の医療機関で子宮内膜症の治療を受けていた289人の診療記録を分析したもので、従

続きを読む
Japan Health
ビタミンDは結局どれで摂る:D2とD3の違いとIUの目安、夏でも足りない理由

ビタミンDは結局どれで摂る:D2とD3の違いとIUの目安、夏でも足りない理由

夏の日差しの下を歩き、腕も首筋もしっかり日を浴びている。ビタミンDは日光でつくられると聞くから、この季節だけは足りているはずだと思う。ところが健診で血中の数値を測ってみると、思ったほど高くない。 あるいは、去年の冬とあまり変わっていない。日差しの季節なのに、なぜ足りないのか。この違和感を抱えたままドラッグストアの棚の前に立つと、今度は別の迷いが待っています。 ビタミンDと書かれたボトルには、D2とD3の表記が混ざり、数字も400 IU、1000 IU、2000 IUとばらばらです。同じ「ビタミンD」なのに、どれを選べばいいのか。 今回は、D2とD3の違い、IUという単位の読み方、

続きを読む
Japan Health
最新|ビタミンB12と筋肉のエネルギー:貧血だけではない新しい見方

最新|ビタミンB12と筋肉のエネルギー:貧血だけではない新しい見方

ビタミンB12と聞くと、多くの方が「貧血のビタミン」を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、B12は赤血球をつくるのに欠かせず、不足すると貧血につながることでよく知られています。 ところが2026年、この見慣れたビタミンに、これまであまり語られてこなかった一面を示す研究が報告されました。 米国コーネル大学などの研究グループが、B12が不足すると、筋肉の細胞の中でエネルギーをつくる仕組みがうまく働かなくなることを示したのです。 年齢を重ねると増えてくる「疲れやすい」「力が入りにくい」という感覚。その背景に、B12と筋肉のエネルギーの関係が隠れているのかもしれません。 貧血という

続きを読む
Japan Health
最新|セレンと脂っこい食事と血圧:5,643人で見えた逆説の関係

最新|セレンと脂っこい食事と血圧:5,643人で見えた逆説の関係

血圧のために気をつけたい食べ物といえば、まず塩分、そして脂っこい食事、と考える方が多いと思います。実際、脂肪の多い食事は血圧を上げやすいと報告されてきました。 ところが2026年に報告された中国の大規模研究では、そこに「セレン」というミネラルが加わると、話が少し変わってくることが示されました。 脂っこい食事による血圧への影響が、セレンをしっかり摂っている人ではほとんど見えなくなっていた、というのです。つまり、脂っこい食事が多い人ほど、セレンの摂り方が効いてくる可能性がある。 今回は、この逆説的な関係を報告した研究を見ていきます。 記事の要点 * 中国の成人5,643人を追

続きを読む
Japan Health
最新|血中ビタミンCと脳の灰白質:弘前大2,044人のMRI研究

最新|血中ビタミンCと脳の灰白質:弘前大2,044人のMRI研究

ビタミンCといえば、風邪や肌のために摂るもの、というくらいの印象を持っている方が多いかもしれません。ところが2026年6月、その身近なビタミンが、年齢を重ねた脳の状態と結びついている可能性を示す研究が、日本から報告されました。 弘前大学の研究グループが、64歳以上の日本人2,044人を対象に、血液中のビタミンC濃度と脳のMRI画像を突き合わせたところ、ビタミンCが少ない人ほど、記憶や思考に関わる脳の部分が小さい傾向が見えてきたというのです。 果物や野菜に含まれる、ごく身近な栄養素と、脳の老いという少し遠く感じるテーマ。その二つが思いがけずつながった今回の報告を、たどってみます。

続きを読む
Japan Health
鉄、結局どれで摂る:ヘム鉄・非ヘム鉄・サプリの選び方と夏の隠れ不足

鉄、結局どれで摂る:ヘム鉄・非ヘム鉄・サプリの選び方と夏の隠れ不足

汗をかく季節になると、食が細くなり、赤身肉より麺類やそうめんに手が伸びやすくなります。そうめんや冷や麦の具は、卵やハムが中心。鉄を含む食材が食卓から自然と減っていく季節でもあります。 鉄は牡蠣や赤身肉、レバーに多いと聞く一方、ほうれん草や小松菜、大豆製品にも鉄が含まれると言われます。では、実際にどれを選べば効率よく鉄を補えるのか。 含有量だけを見ればいいのか、それとも吸収率まで考えるべきなのか。いざ選ぼうとすると迷う方は多いはずです。 今回は、ヘム鉄・非ヘム鉄・サプリメントという3つの選択肢を、含有量と吸収率という2つのものさしで整理し、目的別に選べる保存版としてまとめます。

続きを読む
Japan Health
最新|話題のコルチゾールカクテル:塩とマグネシウムで支えるストレスケア

最新|話題のコルチゾールカクテル:塩とマグネシウムで支えるストレスケア

イタリアの調査機関が発表した最新レポートによると、働く人の3割以上が仕事のストレスによって燃え尽き症候群寸前だと感じているそうです。ストレスを感じているという実感に、データはいらないかもしれません。それでも、こうした数字を目にすると、多くの人が同じ状態にあることが分かります。 そんな中、SNSで話題になっているのが「コルチゾールカクテル」と呼ばれる飲み物です。 ストレスホルモンであるコルチゾールの値を落ち着かせ、エネルギーを取り戻し、緊張をやわらげるドリンクとして紹介されています。キャッチーな名前だけの流行なのか、それとも理にかなった組み合わせなのか。今回はその中身を見ていきます。

続きを読む
Japan Health
最新|加水分解ホエイプロテインとアスリートの回復:吸収スピードと筋肉シグナルの新知見

最新|加水分解ホエイプロテインとアスリートの回復:吸収スピードと筋肉シグナルの新知見

激しいトレーニングを終えた直後、シェイカーに溶かしたプロテインを一気に飲み干す。部活動の合宿でもジムでも見慣れた光景です。 運動後にタンパク質を摂ることが筋肉の回復に役立つことは広く知られていますが、同じホエイプロテインでも「加水分解」という処理を経たものと、そうでないものとでは、体の中での動き方に違いがあると報告されています。 酵素の力であらかじめ細かく分解された加水分解ホエイプロテインは、消化・吸収のスピードや、筋肉を作り直すシグナルへの働きかけ方に特徴があるようです。 トレーニング直後の限られた時間をどう活かすか。加水分解ホエイプロテインに関する研究を見ていきます。 記

続きを読む
Japan Health
最新|マルチビタミン継続で症候性COVID-19のオッズ40%低下:COSMOS試験

最新|マルチビタミン継続で症候性COVID-19のオッズ40%低下:COSMOS試験

毎日のマルチビタミンは、感染症にどこまで関われるのでしょうか。ビタミンC、ビタミンD、亜鉛など、免疫との関わりが知られる栄養素は一つずつ研究されてきました。 しかし、私たちが普段手にするマルチビタミン・ミネラルは、複数の栄養素を少量ずつ組み合わせたものです。この形を長く続けたとき、COVID-19の発生や症状に違いが生まれるのか。 2026年6月、『The American Journal of Clinical Nutrition』にCOSMOS試験の新たな解析が発表されました。 米国の高齢者1万8,205人を追った結果、感染の発生率には明確な差が見られなかった一方、治験薬を継

続きを読む
Japan Health
夏のマグネシウム、結局どれを摂ればいい:足のつり・寝つき・だるさで選ぶ

夏のマグネシウム、結局どれを摂ればいい:足のつり・寝つき・だるさで選ぶ

夏の夜、ふくらはぎが急につって目が覚めた。寝苦しくてなかなか寝つけない。日中もなんとなく体が重い。暑い季節に増えてくるこうした不調の背景に、汗とともに失われやすいミネラルがあります。そのひとつがマグネシウムです。 カリウムやナトリウムほど名前は挙がりませんが、マグネシウムは筋肉や神経のはたらき、睡眠、エネルギーづくりに広く関わり、夏に不足すると足のつりや寝つきの悪さ、だるさといった形で顔を出すことがあります。 マグネシウムのはたらきを押さえたうえで、足のつり・寝つき・だるさという気になる不調ごとに、どんな食品から摂るとよいのかを早見表にまとめました。夏をのりきる一枚として、手元に置

続きを読む
Japan Health
最新|「痛いの痛いの飛んでいけ」の正体:九州大学が見つけた触覚と痛みの関係

最新|「痛いの痛いの飛んでいけ」の正体:九州大学が見つけた触覚と痛みの関係

子どものころ、転んで泣いていると、そばにいた誰かがそっと患部をさすりながら「痛いの痛いの飛んでいけ」と言ってくれた。そんな記憶を持つ方は多いのではないでしょうか。 実際、さすってもらうと不思議と泣きやんだり、痛みが和らいだように感じたりした経験も、決して珍しくないはずです。長らくこれは、気持ちの上での安心感、いわば「おまじない」のようなものだと捉えられてきました。 ところが2026年7月14日、九州大学の研究チームが、この素朴な民間療法の背後にある神経のしくみをマウスの実験で明らかにし、注目を集めています。 記事の要点 * 九州大学大学院薬学研究院・高等研究院の津田誠主幹教

続きを読む
Japan Health