健康診断の結果票を開いて、聞き慣れない項目に目が止まる。白血球や血小板の数値にわずかな乱れがあり、「今のところ経過観察でいいですが、血液のがんにつながる可能性がある変化です」と告げられたら、多くの人は言葉を失うのではないでしょうか。
がんと診断されたわけではない。でも、健康だと言い切れるわけでもない。治療の対象にはならないのに、心のどこかにずっと引っかかる。半年後、1年後の次の血液検査まで、ただ数字の変化を待つしかない、宙ぶらりんの時間が続きます。
インターネットで検索しても、専門的すぎる説明か、逆に不安をあおるだけの情報ばかりが目につき、日々の生活で何をどう意識すればいいのか、手がかりが見つからないという声も少なくありません。
何かできることはないのか、それとも本当にただ待つしかないのか。そう感じている方に向けて、身近な栄養素がこの「前段階」の状態に関わっているかもしれないという報告が、デンマークと米国の研究チームから発表されました。原著論文まで遡って読み解いていきます。
記事の要点
デンマーク・米国の二重盲検プラセボ対照試験で、血液がん前段階の患者にビタミンC1000mgを12か月投与しました。
主要な目的だった異常な血液細胞の増殖速度そのものには、統計的に意味のある差は見られませんでした。
一方で全生存期間を比べた探索的な解析では、ビタミンC群で死亡のリスクが65%低かったと報告されています。
この先では、血液がん前段階(CCUS)の基本から、EVITA試験の方法と結果、ビタミンCとTET2という酵素の関わりまでを、順を追ってまとめています。