骨折で運ばれた高齢の患者さんのカルテ。持病の欄には2型糖尿病、そして数年前にかかった新型コロナウイルス感染症の記録。一見ばらばらに見えるこの二つの出来事が、実は静かにつながっていたのかもしれない、という報告があります。
新型コロナと聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは、発熱やせき、あるいは味覚や嗅覚の変化ではないでしょうか。しかし2型糖尿病と共に生きる人にとっては、感染から何年も経った後になって、骨や栄養状態という思いがけない形でその影響が現れることがあると、台湾の研究チームが報告しています。
米国を中心とした医療記録データベースを用い、129万人を超える人を対象にした大規模な追跡調査です。対象になったのは、骨や神経の健康を支えるビタミンD、マグネシウム、ビタミンB12という3つの栄養素でした。
記事の要点
2型糖尿病があり新型コロナに感染した人は、その後5年の間にビタミンD不足と新たに診断されるリスクが、感染していない人より79%高かったという報告があります。
マグネシウム不足は77%、ビタミンB12不足は56%リスクが高く、骨粗鬆症や骨折のリスクも同じ方向で上昇していました。
129万人分の医療記録を用いた米国中心の追跡調査で、感染が重症だった人ほど骨折などのリスクがさらに高まる傾向も見られました。